銀行を飛び出した人 vol.6

Fire

年齢:20代

出身大学:Marchクラス

出身銀行:信用金庫

銀行員時代について


Banker:銀行員時代はどんな仕事をしていたんですか?
Fireさん:

1年目は預金係と融資係を半年ずつのローテーションをして、2年目は得意先係で営業をしていました。
法人・個人・融資・預金・保険等金融商品に関しては全て関わってましたね。

Banker:信用金庫ってやはり全部やるんですね。大手の金融機関みたいに専業法人だけとか個人だけという専業ではないんですね。
Fireさん:そうですね。営業は取引先でいうと約80、それ以外に新規開拓も担当していました。住宅ローンの借り換えの営業は1日100件の訪問を月に6回ほどやってました。信金は楽だと思われてるんですけど、私がいた信金は地銀並みに大きい信金なので、仕事のボリュームは多かったです。
Banker:1日100件の訪問って、不動産とか通信回線の営業みたいですね(笑)Fireさんは就活の時になんで銀行を選んだのですか?
Fireさん:

正直言うと、銀行から内定をもらったからっていうのが一番の理由です(笑)業界をあまり絞らずに就活をしていて、幅広い業界と携わることができて、ソリューション営業ができるところを中心に見ていたんですよ。

銀行では、環境に配慮した企業の支援、特許を活用しきれていない企業の支援、地域密着などの支援をやりたいという想いもあって興味を持ちました

Banker:  業界は特に絞っていなかったんですね。たしかに、やりたいことを中心に考えて、業界を絞らないというのも一つの手ですよね。

銀行員を辞めてから


Banker:銀行は確か2年間で辞めたと伺いましたが、なんで2年で辞めたんですか?
Fireさん:

理由はいろいろあるんですけど、そもそも最初から3年で辞めるつもりで入ったんですよね。3年で社会人基礎力を身につけて、ステップアップしようかと。もしくは、ずっと続けてもいい仕事だと感じたら、そのまま続ければいいと思ってたんです。ただ自分は中に入ってみて、2年で十分と思って辞めました。銀行員の内々体質が嫌いだったんですよ。取引先との新年会で取引先よりも内部の役員に対して気を遣わないといけなかったり。。

Banker:出ました!!銀行員あるあるですね(笑)客より社内政治の方が大事なやつ。
Fireさん:

そうですね(笑)価値観のズレが結構ありました。銀行内で仕事ができる人はいっぱいいたんですけど、仕事ができるだけであって、人としてあまり尊敬できる人がいなかったのもあります。毎日同じ人と飲んで、土日は昼まで寝て、夜飲みにく、というようなプライベートがつまらない人が多かったです。

Banker:そういうタイプの銀行員とか商社マンは多いですよね。仕事の辛さを飲んで忘れるタイプですね。

銀行の中でも信金だから嫌だったみたいなことは点とかは何かないですか?

Fireさん:

信金だからという点に当てはまるかは分かりませんが、例えば元々やりたかった特許を活用しきれていない企業の支援をするような部署に行くには、うちの金融機関クラスだと特許を持っている企業がほとんどないってことですかね。持っていたとしても担当するのは主任以上なので、銀行でやりたいことをやるためにはかなり時間がかかるんですよね。必ずやれるとも限らないですし、それなら他のアプローチ方法を探ってみようと思ってプライベートで動いていたら、いろんなことが繋がり始めて、3年経つ前に辞めたって感じです。

Banker:なるほど。やはり銀行員は役職がつくまでに時間のかかる仕事ですもんね。銀行で明確にやりたいことがあるなら長い目で見た方がいいですね。

ちなみに銀行を辞めた後は何をしてるんですか?

Fireさん:銀行辞めた後は、約200日かけて自転車で日本一周(全都道府県)しました。
その後は、ニートを半年経験した後に2社に勤めるパラレルワーカーです。
現在はその2社も退社して、HP制作・人材紹介(転職支援)・ライターを中心としながらもカメラマンやイベンター等幅広く活動しています。
Banker:完全に意味不明なキャリアですし、色んなこと経験していますね(笑)でもFireさんの輝いている理由は自分の生き方に正直に生きている点にある気がします。一回の人生を何のために生きているかわからないのは不幸ですもんね。

あと、銀行に入ったメリットとかデメリットってなんかありますか?

Fireさん:メリットは社会とは、仕事とは、営業とは何なのか、ということがよく理解できたという点ですね。あと、色んな経営者の人と会うことができたこと。日本一周中も知り合いの人を紹介してもらったり、今でも10社ぐらいとお付き合いありますし、社会には色んな人がいるということが分かり、毎日が勉強でした。

デメリットは、肺に嚢胞ができ、体を壊しかけたぐらいですかね。色んな辛さ・苦しさを経験したからこそ、反動で色々なものの見方ができたと思ってるので、今でも銀行には感謝しかないです。

Banker:Fireさんは、銀行のこと結構ボロクソに言うのかと思いきや、メリットの方が多いんですね。 

銀行の就活について


Banker:銀行の就活についても聞きたいんですが、そもそも学生時代も日本一周とかしちゃう学生だったんですか?
Fireさん:

大学2年生までは法学部のフル単の、いたって普通の大学生でした。でも個性的な友達が多くて、常に劣等感を感じていて、自分を変えないといけないなって思って、そこから一人旅をしたりフルマラソンに挑戦したり色々と行動はしていました。
高校時代までは考えてから行動するタイプだったんですけど、大学生から行動しながら考える、ということもできるようになったと思います。

Banker:学生時代からフルマラソンやっちゃう系ですか(笑)そんな学生が銀行から内定を取るコツはありますか?
Fireさん:

自分の性格を理解して、そのキャラを徹底することですかね。適性検査で出る性格との整合性を人事は見ているので、私の場合はヒアリング能力が満点で、その部分を中心に見られていたらしいです。論理的に話しながらも、素直さを出すことを心がけていました。私の場合は最終面接で役員相手に第2志望と伝えたけれど、第1志望の企業と取引先であり、人事同士で話した結果、銀行側が内定を出したらしいです。っていうような運とか巡り合わせもあります(笑)

Banker:なるほど。ちなみにもし今就活生でもう一回就活ができるとしたら、どういった企業or業界入りたいですか?
Fireさん:

また同じ銀行に入りたいですね。2年で辞めましたが、仕事に不満があったわけではないですし、やりがいもあって楽しく働けていたし、本当に色んなことを学べて、実り多い2年間でした。他の企業に行ってこれだけ成長できたかは疑問ですね。でも私の場合、どこ行っても楽しくやれる自信はありますけど(笑)

Banker:色々な会社で働いてみて、また銀行に入りたいと思えるのが素晴らしいですね。

最後に、銀行に就職を考えている学生に一言もらってもいいですか?

Fireさん:

良い選択だと思います。ただ、良い面も悪い面も含めてこの先の銀行がどうなっていくのかを考えた上で選択したほうがいいとは思います。正直言って、「安定してるから」という理由だけで入ったら耐えられないと思います。ファーストステップとして入るのが銀行っていう選択肢で入るのもありですし、銀行員との繋がりがある人生は将来に生きると思います。向き不向きもあると思いますが、真面目すぎる人、力の抜き方をわからない人は辞めたほうがいいと思います。自分でいろんなことを背負い込んで鬱になって、潰れますので。

Banker:  Fireさん、リアルな意見をありがとうございました。是非銀行や信金を目指している方は参考にしてください。

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