金融機関の面接で必ず聞かれる「3つの質問」って?
学生の方から以下のような質問を受けたので共有します。
いつも就活相談に乗って頂きありがとうございます。中堅私大に通う就活生Sです。
私は金融業界を志望しているのですが、金融機関にいる先輩から「銀行、証券、生保、損保」などの違いは必ず聞かれるから勉強しとけと言われました。結構ナンセンスな感じがするのですが、なんでこんなこと聞かれるんでしょうか?
回答お願いします。
この質問は元メガバンク面接官が教える:メガバンク3行の違いってなに?の中でも簡単に触れましたが、今回の質問も志望動機を問う際の質問の一部なんです。面接官としても志望動機は必ず聞きますよね。大事なのは金融機関では必ず聞くことが「3つ」あるということ、そしてその答え方に「コツ」があるということです。
その「3つの質問」が以下です。
- なぜ金融機関を志望するのか?
- 金融機関の中でも銀行、証券会社、生命保険etc…を志望するのか?
- その中でもなぜ競合と比較してうちの会社を志望するのか?
※加えて、銀行であれば、都市銀行、地銀、信用金庫の比較なども問われることがあります。
実際の質問の流れ
面接官 | ○○さんはなんで金融業界を志望したのかな? |
就活生 | それは~~~~という理由です。 |
面接官 | そうなんだ。でもそれって証券会社でも出来ない?銀行じゃなくてもいいんじゃない? |
就活生 | いえ、それには理由があります。それは~~~~だからです。 |
面接官 | そうだね。じゃあ意地悪な質問かもしれなけど、どうしてウチなの?○○社や△△社でも同じこと出来るよね?むしろ君のやりたい業務はウチより○○社の方が強いよ。 |
就活生 | それは~~~だからです!だから私は御行を志望しています! |
のような感じです。想像して見て下さい。あなたはこの流れに対してきちんと答えられる自信が有りますか?
私の経験では満足いく回答を出来る方は10%もいません。
「みん就」を見て、表面的な対策している学生はいっぱいいますけどね。でもそういう方はこちらも分かりますし、その時点で落とします。こちらも一応プロです。間違いなく分かります。そして、落とします。逆を言えば、ここの志望動機をしっかりと作り込むことにより他の就活生に大きく差を付けられる可能性があるんです。
志望動機に回答するコツ
ではどういう風に答えるのが良い回答でしょうか?
志望動機に関しては、面接官は以下のようなポイントを見ています。
- 志望の本気度(将来のキャリビジョンと会社でできることがマッチしているか)
- 物事を深く考えているか(ロジック・つじつまが通っているか)
- 会社にどう貢献できるか(スキルと志望動機がマッチしているか)
大事なことは志望動機に自分だけの「ストーリー(実際の経験)」を加えることです。そして、その「ストーリー(実際の経験)」を志望動機にリンクさせることです。ほとんどの学生がこれをできていないんです。
志望動機とはその会社を志望するに至った理由です。動機とはその意思の決定の直接の原因です。すなわち…
- 自分の経験(ストーリー)があるからこそ…
- 経験から得た感情(喜び・楽しさなど)が発生し…
- その感情を得られる場所で働きたい(テーマ)と思い…
- そして志望する!(それが出来るのは…○○業界の御社だけなんです!)
上記の様な、流れが志望動機の中にあれば決して志望動機が嘘ではないと言い切れ、つじつまも合うはずです。しかし多くの学生さんは、
「学生時代はサークルで会長をしていました。そこでリーダーシップを養いました。企業選びの軸は社会貢献ができる会社に行きたいです。御社に入ったら営業がやりたいです」
と一方的に自分で自己分析した結果を面接の中で発表しています。
- サークルの会長で養ったリーダーシップをどうやって、うちの会社で発揮するんですか?
- 社会貢献できる会社にいきたいと思った背景(経験)はなんですか?
- あなたのどういうスキルを生かすことで、あなたが営業をやるとうちの会社にメリットが生まれるんですか?
こういった点をもっと面接官に上手に伝えなければいけません。
これでもイマイチ分からない方は、以下のように答えてくれるだけでも良いです。これだけでも印象が全く違います。
面接官 | ○○さんはなんで金融業界を志望したのかな? |
就活生 | 私は自己PRでも話したように△△に取り組んできて、もっとこういう風にならなければいけないと感じました。それを一番実現できるのが金融業界だと思うので志望しています。 |
面接官 | そうなんだ。でもそれって証券会社でも出来ない?銀行じゃなくてもいいんじゃない? |
就活生 | いえ、それには理由があって、先ほども話しましたが、私は○○にも取り組んで、その時の失敗から△△ということが大事なんだと学びました。これって証券ではなくて銀行と同じだと思うんです。だから銀行を志望しています。 |
面接官 | そうだね。じゃあ意地悪な質問かもしれなけど、どうしてウチなの?○○社や△△社でも同じこと出来るよね?むしろ君のやりたい業務はウチより○○社の方が強いよ。 |
就活生 | たしかに○○社の方がその分野では強いかもしれません。でも私は△△という強みを活かして○○という実績を残してきました。○○社の業務って貴行と比べると△△という面がありますよね。そういう意味では私の△△という強みは貴行でこそ発揮できると思います。 |
わかりましたか?
質問のたびに、もう一度自己PRの話のこういう経験からくる、こういう部分が、こういう志望理由に繋がっているんです。ということを質問されるたびにアピールするんです。これだけでマニュアル回答には絶対になりません。あなただけの志望理由になるんです。
是非実践して、自分なりの志望理由を作ってくださいね。