銀行の総合職(法人営業部員)のメリット
就活生の中でも銀行は非常に人気の高い業界であり、人気企業ランキングでも毎年のように上位にランクインします。そもそもなぜ銀行は人気が高いのでしょうか?
学生の全体的な印象としては
- 安定している
- 給料が高い
- 転職しやすい
- みんな知ってるから(笑)
が、ほとんどだと思います。実際に、待遇面や安定で考えるとメガバンクであれば30歳過ぎる頃には年収1千万円を超え、上位地銀であれば30歳後半には年収1千万円の大台に乗ります。
実際に私が5年目の時には年収が約700万円くらい。毎月の手取だと35~40万円くらいはありました。ただ銀行は飲み会が死ぬほど多く(多い時は週4~5回)、合コン、遊びもあったりで毎月35万きっちり使い切ってました(笑)
とにかく他の大企業で働いている人に比べてもかなり給料は良かったと思います。また転職についても若手の内であればいわゆる「引く手数多(あまた)」であり、元銀行員というだけでかなり優遇されると思います。私の周りの元銀行員も超大手IT企業や外資系金融、コンサル、起業など幅広く進んで行く人が多かったです。
あと最近は女性総合職も積極的に採用していて、産休や育休の取得はもちろん出世レースにおいても男性と平等、むしろ男性以上に優遇されていて、働きやすい環境作りを積極的に進めている印象です。ハードですけど(笑)
給料やその後の進路、合コンウケなどを総合的に考えても新卒の就職先としては非常に良い選択だと思います。
優秀な総合職(法人営業部員)とは
皆さんは優秀な総合職(法人営業部員)とは、どんな人だと思いますか?
- お客様に可愛がられる人
- お客様の潜在的ニーズを発掘し、解決出来る人
- 相手の立場で物事を考えて、行動できる人
- とにかく頭が良く、頭がキレまくる人
一般的には上記のようなことが言われていて、確かにこういう方は優秀だと思います。ただ私が銀行にいて、周囲の先輩や後輩を見ていて優秀、且つ収益も稼ぎまくってた人の共通点は「仕事が早くてタフな人」です。
まず「仕事が早い」から具体的に説明すると、銀行業務はとにかく複雑でよく分からないことだらけです。おそらく、皆さんの思っている以上に、毎日がよく分からない仕事だらけで進んで行きます。そんな中、毎日のようにお客様からも上司からも無限に訳分からない仕事が降ってきます(笑)
仕事が出来ない人はそこで、考えすぎて手を止めてしまいます。よく分からないから考えるのは当たり前なのですが、そこで手を止めてしまうと次の仕事に潰されてしまい、より深いトンネルに突入します。頭の良い東大生とかもこの傾向に陥ります。しかし、優秀な人はよく分からない中でも、とりあえず手を動かすことが出来ます。手を動かして、仕事を進めていけばそのうち分かるだろ、とある意味開き直ってます。
文章で読むと簡単に思えるのですが、いざその場面になると出来る人は意外と少ないと思います。銀行では、手が早いと上司も非常に評価してくれます。私の仕えた上司は全員、「正確なものを期日に出す」より「50点でも、とにかく早く出す」人を評価していました。どんなに正確でも期日に出すと何故か叱られます(笑)
「今日が期日なのに、なぜ昨日出さない!?」と詰められます。銀行では期日当日に出して、なにか大きなミスを発見した際に修正にも時間がかかるため、このような習慣が根付いているのでしょう。普通の人には、なかなか分かりにくいかもしれませんが、これも銀行の文化なのだと思います。
次にタフな人ですが、これは簡単です。「詰められても潰れない人、悩まない人、辞めない人」です。銀行は基本的に毎日詰められます。配属先にももちろんよりますが、上司が厳しい支店だと、朝の会議で詰められ、昼の報告で詰められ、夕方の報告でも詰められます。もうとにかく詰められます(笑)
ただこれには意味もあります。上司に毎日詰められることで、お客様に叱られたり、怒鳴られたりしたときも正しい判断が出来る耐性を身に付けさせます。例えば、私自身、お金を借りたくても借りられないお客様に2時間も3時間も怒鳴られたり、最後は泣き脅しを受けたことがあります。
弱い人はここで早く解放されたいがあまり「分かりました。私が貸せるように頑張ります。」と根拠の無い約束をしてしまう場合があります(本当にある話です)。しかし解放されても、結局はお金を貸すことが出来ません。その後どうなるかと言うと、お客様から「あいつが貸せると言ったんだ!!!」と支店に怒鳴りに来たり、ひどい時は裁判に発展する場合もあります。
このようにお客様の前で間違った判断やその場逃れのようなことをしないように、日々の業務の中で厳しく詰めて耐性をつけます。最初、銀行に入った時にあまりに詰められすぎて「みんなヤバイ奴しかいないなぁ」と思っていましたが、今思えば部下の為を思ってのことも多少はあったのかな?と思えるようになりました。
銀行に内定をとるのは大変ですし、入ったらメリットもたくさんありますが、大変なのは入った後です。常に出世レースの競争と毎日のプレッシャーと闘わなくてはいけません。それが銀行員という生物です。
ここまでハードな内容で書いてきましたが、最近はパワハラに対する対策も整っており、以前ほどは詰められたりはしなくなっています。パワハラ相談窓口や人事の360度評価で部下が上司を評価する仕組みを取り入れている銀行もありますしね。
志望動機に活かす
「仕事が早くて、タフな人」は法人営業部員として活躍する為の大事なキーワードだと思います。就活をする上ではそんなことも頭の片隅においておくといいかもしれませんね。やはり面接官も活躍する見込みのある銀行員を採用したいのでこの部分を上手に伝えたいところです。
面接官の立場で考えるならば、学生時代の経験に関しても逆境や苦難な出来事にチャレンジした経験は非常に面接官ウケが良いです。とにかく自分の中で一番タフな経験を志望動機に合わせて記載しましょう。また面接官の中にはストレス耐性をチェックしている面接官もいるので、少し圧迫気味の面接でも明るく元気に答えることを心掛けましょう。
私の経験上、少し強く志望動機や学生時代の経験を深堀すると目が泳いでしまったり、急に元気が無くなる、答えられずパニックになる、時には泣いてしまう学生も非常に多いです。そういう学生は基本的に採用しません。面接は練習と慣れですので、頑張って下さい。
就活対策だけではなく、銀行に入った後も活躍出来るように、学生のうちに辛い経験もして下さいね。